怖い話・実話 怖い話・短いもの

【実話】怖い話・怪談(短め)『島の宿』

2017/08/30

【実話】怖い話・怪談(短め)『島の宿』

これは僕が知り合いから聞いた話です。

 

小学校四年生の男の子は、お父さんと一緒に地質調査に行くことになりました。

 

というのも、夏休みにすることもなくどこかに連れていけという男の子をお母さんがそれでも趣味の地質調査に出かけるお父さんに押し付けたからです。お父さんと一緒に、山に地質調査に行くことになった男の子は、船に乗ってとある島に向かった。

 

船にはあまり人が乗っていなかった。島に着いたのは午前4時くらいであった。

 

「このまま山登るの?」

スポンサードリンク

 

「いや明るくなってからだな」

 

遭難の危険があるし、宿があるこの島とはまた違う島にある山で地質調査をするから、こんなに朝早くに着くようにしていたらしい。

 

宿についても、とっている部屋が使える状態ではなかったが、宿の人に父さんが、

「いつもの場所で」

といえば、

「いつもの場所ですね。」

と離れにある宴会場のようなところに連れていかれた。

 

宴会場は和室で、舞台と山積みにされた座布団があるだけのあまり手入れされていないような場所だった。

 

父さんはそこに着くなり、座布団を布団のように敷いて、枕をたたむと枕にして寝転がった。

 

「朝まで寝るぞ」

 

男の子は、船の中でたっぷり寝ていたので眠たくなかったので、トイレに行って寝転がっていようと考えて、トイレに行った。

 

男の子がトイレから戻ると、舞台の隅の方で自分と同じくらいの女の子とおじさんの二人組がいた。

 

「おんなじ船だったのかな?」

 

その間にも、女の子はどんぶりをガツガツと食べ続けていて、男の子もお腹がすいてしまった。

 

「お父さん僕も食べたい。」

「・・・」

「食べたい」

「・・・」

どうやら、父さんは眠ってしまっているようだったので、我慢することにした。

 

男の子は眠たくなかったので、ボーとしていると、さっきのおじさんと目があった。女の子はまだどんぶりを食べていた。

 

おじさんは立ち上がると、男の子の方に歩いてきた。

 

「すみません、私達あの山に登るの初めてなので一緒に登りませんか?」

 

すごく丁寧に言われた男の子は、

「僕も初めてなので、お父さんに聞かないと。お父さん、父さん・・・。すいません起きないみたいです。」と答えた。

 

おじさんは「わかりました」と言って女の子の横に戻って行った。

 

瞼に光が当たって男の子が目を覚ますと、

 

「もう七時過ぎてるぞ、急げ急げ。」

 

と父さんが急かしてきた。

 

もう、女の子たちはいなかった。

 

その山はどうやら火山のようで溶岩を穴の上から見られて男の子は感動した。

 

宿に戻ってきたとき、女の子たちに会えると思っていたけど、会うことは出来ずに帰ることになった。

 

あの日から一年が過ぎたころ、お父さんが

「また、あの山行くぞ」

と言ったのでまた船に乗ってあの宿に行った。船はやっぱりガラガラだった。

 

宴会場に入ると、三人のおじさんがビールを飲んで騒いでおり、奥の方にも人がいたので、「今日は賑やかだね」

と父さんに行ったが、父さんは何も言わずに寝る準備に入っていびきをだしだした。

 

よく、奥の方を見ると舞台の横にいるのは去年いた女の子たちだった。今年も女の子はどんぶりを食べていた。

 

すると、宴会場の入り口が空いておばさん三人組が入ってきた。

 

「あら、結構人がいるんですね」

 

おばさんが言うと、舞台の横にいたおじさんがおばさん達の方に歩いて行って話しかけた。

 

「すみません、私達あの山に登るの初めてなので一緒に登りませんか?」

 

去年男の子に話しかけた内容と全く同じだった。

 

それにおばさんたちは、

 

「そうなんですか、私たちも初めてなんです。よろしければお願いします。」

 

と言っていた。

 

また、目を覚ますと父さん以外誰もいなかった。そしてその日山で誰とも会わずに宿にもどった。

 

父さんと宿の人が話していると、おばさん三人が帰ってこないので捜索願いをだすかどうか考えているという声が聞こえた。

 

男の子が、「他の人達はいいの?その人たちと一緒に行った女の子たちは?」というと、宿の人は「この子も見えるんですね」と言って宴会場に案内してくれた。

 

男の子が昨日の状況を話すと、お父さんと宿の人が指を指した。

 

そこには、確かにどんぶりが置いてあったがどんぶりの中が白く見えるほど埃が溜まっており、三人のビールを飲んでいた男たちのいた場所にはこれまた埃をかぶったビール瓶が置かれていた。

 

後日、おばさん三人組は山の火口に落ちているところを発見された。

 

宿の人は男の子にいった。

 

「坊主、一緒に行きませんか?にはいって答えてたら噴火口で死んでたかもしれないぞ、去年は三人組の男が噴火口で死んだからよかったな」

 

次の年には行くのを止めた。

次の話⇒【実話】怪談・怖い話(短い)『足音』

スポンサードリンク

-怖い話・実話, 怖い話・短いもの
-, , , , ,