怖い話・短いもの

怪談・怖い話(短い)『墓地の間』

2017/08/30

怪談・怖い話(短い)『墓地の間』

これは俺が学生の時の話です。

 

当時俺は一人で山に登ってはテントを張ってキャンプをするのが趣味だった。

 

といっても、何もない山に行くほど気合が入っているわけではないので、近くにキャンプ場があるようなある程度整備されている場所に行ってるんだけど。

 

その日もいつものように山に登って、比較的平らな地面を探しテントを張った。

 

そして、食事をしたり飲むために近くのキャンプ場の水道から水を拝借してきた。

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もちろん、いけないことだとはわかっているが、そこはね。

 

いつもよりも早めに平らな地面を見つけ、テントを張った俺は周囲を散歩することにした。

 

10分位歩いただろうか、そこには墓地があった。

 

墓石のほとんどに苔が生えていたが、地面の雑草などは生えていなかったので、気持ち悪い感じはしなかった。

 

俺はなぜかこの墓地に興味が惹かれ、気が付いたら墓地の中を歩いていた。

 

心地いい感覚の中、墓地を一周回って、俺はふと呟いていた。

 

「あのお墓とお墓の間ちょうどいいスペースだな。」

 

俺はそう思うや否や、『さっき設置したテントを片付けてここに移動しよう。』と考え出していた。

 

そしてなぜだか、夜が来るのが待ち遠しくて仕方がなくなっていた。

 

最初にテントを張った場所に戻り、テントを片付けていると雨が降ってきた。

 

そこで俺は早くあの墓地に行かなくちゃと焦っている自分に気付いた。

 

いや、気付いたというか、そう思ってたから当たり前なんだが、そのとき『墓地で一晩とか気持ち悪いだろ!!』と脳内のもう一人の自分が呟いたのだ。

 

きっと、雨が降っているのに移動するのが面倒だったからだと思う。

 

でも、気付いてしまった。

 

なぜ、俺は墓地でしかもお墓とお墓の間にテントを張ろうと思ったのか。

 

なぜ、夜が待ち遠しかったのか。

 

そのとき俺はわかった。

 

なぜか確信できた。

 

あれは、俺を呼んでいる、意識を誘導されたのではないか。

 

今思うとあのお墓は、不気味な雰囲気を醸し出しており、決して心地いい場所などではなく、10人中9人が不気味だという場所であった。

 

俺は急に怖くあり、テントを片付けると急いで、山を下山し麓の町まで向かった。

 

麓の町まで3時間かっかたが、なに事もなく着くことができた。

 

俺をあの墓に呼んでいたのはなんなのか、あの夜あの墓地で夜を迎えていたらどうなっていたのか。

 

思い出すだけでも怖い。

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