怖い話・実話 怖い話・短いもの

【実話】怖い話(短い)『ツイテクル女』

2017/08/10

【実話】怖い話(短い)『ツイテクル女』

これは、私がまだファミレスでバイトをしていた時の話です。

 

そのファミレスでは、席に案内したはずのお客さんが突然消える。人数分用意したはずのコップの数が1、2個多かったりと不思議な出来事が頻繁に起こっていました。

 

とある日のディナーのピークは過ぎて空席が目立ちはじめ、私が気を緩めているときでした。

 

いつものようにホールの中を行き来してると、入り口前の待合室にお客様が1人座っているのに気付きました。

 

入店チャイムに気がつかなかったんだと、慌ててそちらに向かったのですが、何か嫌な予感がしてすぐにご案内せず、私はその人が座っている正面のレジにいったん入っていきました。

スポンサードリンク

 

その人は赤いダウンジャケットにジーンズ、顔は髪で隠れてわからなかったのですが、20代後半くらいの女性のようでした。

 

ずっと俯いたまま、じっとその場に座っていました。

 

よくよく見てみると彼女の周りだけ黒いモヤがかかったような薄暗くなっているようでした。

 

それに着ている服が20年位前に流行ったなもので違和感がありました。

 

これ以上無視するのも嫌になった私は、『数時間ごとの義務になっている手洗いを終えたら声をかけよう』と決意し、バックヤードに行きました。

 

手を洗って、正面の鏡を見ると「っう」、鏡越しに私の真後ろにさっきの女性が立っているのが見えました。

 

顔は髪に隠れて見えなかったのですが口だけで笑っているのがわかりました。

 

『あーやっぱりお客さんじゃなかったんだ。』

 

もう一度鏡を確認すると女性はおらずいつも通りでした。

 

幻覚を見たってことで自分を納得させ、猛スピードで残った仕事をこなし、レジだけは他の人に代わってもらいその日はバイトを早々に切り上げました。

 

猛スピードで自転車をこいで自宅に急いでいると後から同じように自転車を漕ぐ音が聞こえました。

 

私が漕ぐスピードよりもゆっくりとしたリズムで聞こえるのに、その音はどんどん近づいてきます。

 

私は怖くなって振り返らずにそのまま全力疾走しました。

 

心臓が飛び出そうになりながら、自宅に帰り着き、自転車に鍵をかけ、自宅の門扉を開き玄関に駆け寄りドアを開けるとき、自分の自転車のすぐそばで、さっきの女性がお腹を抱えて蹲っているのが見えました。

 

自宅には弟がいて、私の様子を見て「どうしたの」と聞きました。

 

しかし、私は何も答えないでいると、はっきりと「お腹痛い」と言う声が聞こえました。

 

恐る恐る窓から外を覗くとやはりそこには女性がうずくまっていて「お腹痛いお腹痛い」と消えそうな声で言っているのが聞こえました。

 

弟が「何か誰かしゃべってるのが聞こえない?」と窓を開けました。

 

開いた窓の隙間から家で飼っている犬が弟の横をスルリと抜けて庭に飛び出ました。

 

門扉の前までダッシュし、その女の人が渦巻く待っている目の前でワンワンワンワンと凄い勢いで吠えかかりました。

 

目線は跪く女性と合っていて追い返そうとしているようでした。

 

弟に連れ戻しに行ってもらい、門扉の前を指差し「そこに誰かいない?」と聞いても「誰もいないよ」と言いました。

 

そこにはもう女性はいませんでした。

 

数年が経った頃、私は自分の部屋で友達と電話をしていました。

 

友達が「不思議なことがあった」と怖い話をしてきたので、私もファミレスでバイトをしていた時の話をかいつまんで自転車で追いかけられたところまで話しました。

 

「ちゃんと家には着いたんだけど怖かったんだよ」っと笑いながら話していたら、電話の先の友達に「大丈夫?」と聞かれました。

 

「大丈夫って何?」って聞き返したら、「だってあなたお腹痛いって言ったでしょ」と友達に言われ、私はゾットしました。

 

そして黙ってしまいました。

⇒次の話:【実話】怖い話(短い)『専門学校の夜』

⇒前の話:【実話】怖い話(短い)『映画の撮影』

スポンサードリンク
関連記事&スポンサーリンク

-怖い話・実話, 怖い話・短いもの
-, , , , ,