あなたはニュースなどで「容疑者○○が今、逮捕されました」。って聞いたことありませんか?
でも、映画なんかで「被疑者」「被告人」って言葉を使っているのも見た事あると思います。
そこでその違いを法務博士である私が簡単に説明します。
実は違いはない!!
超簡単にいうと、
- 容疑者はマスコミで使われる言葉
- 被疑者は法律用語
解説
あなたにとってはおそらく一番なじみが深いものが「容疑者」だと思います。でも、これって新聞やニュースでしか使われていないのご存知ですか?
被疑者とは、警察や検察などの捜査機関から犯罪の疑いをかけられ捜査の対象となっているが、まだ起訴されていない者のことをいいます。逮捕がされなくても警察や検察から疑いをかけられていれば「被疑者」にあたります。
「書類送検」が逮捕されない場合の例ですね。よく、逮捕されるのが「被疑者」で、逮捕されなかった場合を含むのが「容疑者」と勘違いされている方もいるようですが、「被疑者」と「容疑者」は同じ意味で使われています。実は間違って理解していたのは私だったりします。いい勉強になりました。
ついでに「容疑者」って言葉は法律用語ではないので、裁判なんかで使われることはないんですね。裁判所見学に行ってみるとわかりますよ。最近裁判所見学に行く人も多くなってるのでどうですか?
追記:なんで容疑者っていうようになったの?
マスコミが被疑者という言葉を使わずに容疑者という言葉を使いだしたのは、被害者と被疑者が紛らわしかったため、字も似ているし、発音も似ていたため間違うのを避けるためなんですよ。
- 被害者(ひがいしゃ)
- 被疑者(ひぎしゃ)
被告人とは?
超簡単にいうと、
解説
被疑者は逮捕されると(逮捕されない場合もある)
- 警察で取り調べられる。
- 警察に検察に送致される。(検察に移動させられる)
- 検察で取調べられる。
- 検察に起訴される。
4の後の被疑者の呼び方が「被告人」となります。
※逮捕されてないけど取り調べられる場合もあります。それは、任意の場合と在宅事件(逮捕できるけどしない場合)です。上の説明に在宅事件の場合も含まれていますよ^^在宅事件を検察に送致することを書類送検といいます。これは、家にいていいけど取調べるための書類だけを送るってことですね。
ちなみに1 犯罪者じゃない
被疑者・被告人は「無罪推定」というものがあることから、裁判(公判)で有罪と言われるまで犯罪者としては扱われません。裁判官が冤罪(えんざい)を出さないように先入観なく裁判を進めるためにそうなっているんです。
ちなみに2 被告人と被告は違う
- 刑事事件(刑事訴訟法)で使われるのが被告人で、
- 民事事件(民事訴訟法)で使われるのが被告です。
よく、裁判は刑法・民法で行われていると勘違いされている方が多いですが、刑法・民法は実体法といわれるもので、実際の行動が刑法・民法などの法律に違反しているかなどの判断は手続き法である刑事訴訟法・民事訴訟法をもとに裁判で行っているんです。検察官の起訴の判断も刑事訴訟法に則り(のっとり)行っているんですよ。
最後に
どうでした。法律は細かい言葉ばっかりなんでややこしいですよね。お疲れ様でした。
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